1.対象となる神経免疫疾患について
免疫療法が必要な神経疾患には,多発性硬化症,視神経脊髄炎スペクトラム障害(neuromyelitis optica spectrum disorders;NMOSD),重症筋無力症,多発性筋炎・皮膚筋炎,ギラン–バレー(Guillain–Barré)症候群,慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー(chronic inflammatory demyelinating polyradiculoneuropathy;CIDP),自己免疫性脳炎,血管炎・膠原病関連神経障害など,免疫異常が病態に関与していると考えられる疾患が挙げられます.
2.治療目的
治療目的は急性期治療と維持療法により異なります.急性期治療は,病状が急に悪化した際に症状を改善させるために行うものです.急性期治療を行わないことで,障害が残ったり,回復が遅れたりすることがありますが,治療を行っても後遺