診療支援
患者説明

筋生検
砂田芳秀
(川崎医科大学神経内科学・教授)

1.現在の病状・病態

 あなたの症状(筋肉の萎縮,筋力低下,歩行困難など)の原因として,これまで行った診察や検査(血液検査や筋電図検査)の結果から,筋肉の病気の可能性が考えられます.

2.筋生検の目的

 筋肉の病気にはたくさんの種類があります.筋肉の病気を正確に診断するためには,筋肉を一部採取して,詳しく調べる筋生検という検査が必要になります.採取した筋肉を顕微鏡で詳しく調べたり(病理学的検査),特定の蛋白質や細胞に対する抗体を用いて調べたり(免疫組織学的検査),特定の酵素の働きを調べたり(生化学的検査),遺伝子異常の有無を調べたり(遺伝子検査)することで,正確な診断が可能になるのです.

 ※必要に応じて以下の説明を追加します.

 ・遺伝子検査が必要な場合は改めて詳しい説明をさせていただきます

 ・場合によっては,採取した筋肉をほかの施設に送って特殊な検査を依頼することもあります

 ・検体の一部を凍結保存しておいて,将来新たな方法で検査を行うこともあります

3.検査の方法

1)採取する筋肉の部位

 どこの筋肉を採取するかについては筋電図や筋CT(あるいはMRI)などの検査結果に基づいて最適な部位を決めますが,通常は二の腕の筋肉(上腕二頭筋)あるいは太ももの筋肉(大腿四頭筋)から小指先の半分程の筋肉を取ります.

 あなたの場合は,(右・左)側の(筋肉名)という筋肉を採取します.

2)麻酔

 通常は局所麻酔で行いますが,小児の場合や特殊な筋肉を生検する場合には全身麻酔で行うことがあります.全身麻酔の場合の手順については,改めて麻酔科医から説明があります.

3)局所麻酔での具体的な手技

・皮膚を消毒したあとに麻酔薬を注射して十分に皮膚を麻酔します

・皮膚を切開し,皮膚の下の皮下組織を筋肉に達するまで分け入って行きますが,このときに引っ張られたり押されたりする感覚があるかもしれません

・筋肉自体には麻酔薬を注射でき

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?