1.現在の病状・病態
1)血管炎について
血管炎とは,血管自体に炎症がみられる病気です.
血管に炎症が起きると,血管が傷つく・壊れる,細くなる・詰まる,といったことにより,体の隅々まで血液を運ぶという血管本来の働きができなくなります.その結果,組織の一部が死んでしまい,さらには臓器の働き・機能が低下します.なかには,低下してしまった働きが元に戻らないこともあります(不可逆的臓器障害).
血管の太さは,径の大きな血管(大型血管)から顕微鏡で観察できるレベルの径の小さな血管(小型血管)までさまざまです.また,血管はほとんどすべての臓器を栄養しています.したがって,血管炎では,炎症の起きる径の大きさ,臓器の組み合わせによってさまざまな症状がみられることが特徴です.患者さんによって症状が異なることも珍しくありません.
2)ANCA関連血管炎について
ANCA関連血管炎(ANCA associated