1.現在の病状・病態の説明1~4)
統合失調症はおよそ100人に1人が発症をする頻度の高い精神疾患です.このなかで少なくとも2種類以上の抗精神病薬による十分量・十分期間の治療を行っても精神症状の改善がみられないものを治療抵抗性統合失調症といいます.これは決してまれな病態ではなく,統合失調症の患者さんの3割程度が該当すると考えられています.対象となる患者さんの具体的な状況としては,ほかの抗精神病薬で治療をしていても,幻覚・妄想などの陽性症状や無気力や無関心などの陰性症状が改善しない場合,多飲水,自傷行為,暴力行為などが問題となっている場合,「足がムズムズする」「じっと座っていられない」などの錐体外路症状などの副作用のために必要量の抗精神病薬の服用ができない場合,再発や再入院を繰り返している場合などが該当します.
2.治療目的1~5)
この治療抵抗性統合失調症に対する治療薬がクロザピン(CLZ)