診療支援
治療

扁平苔癬
lichen planus
井川 健
(獨協医科大学主任教授・皮膚科学)

治療のポイント

・診断が重要.

・合併症などで一般にあげられているものについての精査はできるだけ施行する.

・長期の経過をたどる症例においては,複数回の組織学的検査を検討する.

◆病態と診断

A病態

・四肢,体幹に,多角形扁平隆起する紫紅色調の丘疹を形成する角化異常を伴う,慢性に経過する炎症性皮膚疾患である.口腔,陰部など粘膜にも好発し,難治性びらん,潰瘍を形成する.

・脱毛,爪の萎縮・脱落などの臨床症状を呈するものもあり,QOLは多大に障害される.

B診断

・多角形の中央がやや凹んだ形で扁平隆起する紫紅色調の丘疹の存在は,皮膚病変として特徴的である.多くは瘙痒を伴い慢性に経過する.爪甲の白濁,肥厚,萎縮,脱落,毛髪部における暗紫紅色で軽度光沢のある脱毛斑はしばしば経験される.粘膜病変として,多くは乳白色の細かい網の目状ないしレース状の線状病変をみることが多いが,時に輪状,放射線状,さらに円形ないし楕円形

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?