診療支援
治療

糖尿病網膜症
diabetic retinopathy(DR)
村上智昭
(京都大学大学院講師・眼科学)

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GL糖尿病網膜症診療ガイドライン(第1版)(2020)

ニュートピックス

・糖尿病黄斑浮腫に対する治療の第1選択は抗血管内皮増殖因子(VEGF)療法であるが,2022年にファリシマブとブロルシズマブが臨床導入された.

治療のポイント

・高血糖と高血圧などの全身因子の治療により,糖尿病網膜症の発症と進行は抑制される.

・増殖糖尿病網膜症に対しては網膜光凝固が必要であり,牽引性網膜剥離や硝子体出血は,硝子体手術の適応となる.

・糖尿病黄斑浮腫に対する治療は抗VEGF療法が第1選択であるが,適宜,他治療も検討する.

◆病態と診断

A病態

・臨床的な最初期病変は毛細血管瘤であり,続いて,透過性亢進に伴う網膜出血,硬性白斑や網膜浮腫が生じる.黄斑部で生じると糖尿病黄斑浮腫となり,しばしば視力低下を起こす.さらには,蛍光眼底造影における無灌流領域が顕著となり,前増殖期の特徴的な数珠状静脈拡張や網膜内細小血

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