診療支援
診断

3 ウイルス性肝炎

肝炎ウイルス総論

ウイルス性の急性肝炎では高熱を伴うA型肝炎・E型肝炎と,発熱が軽度のB型肝炎(やC型肝炎)を考える.

現在では輸血後肝炎の多くは非A-E型肝炎ウイルスとされる.

ヘルペス科ウイルス(EBV・CMV・HSV)や,HIVも急性肝炎を来す.

劇症肝炎

肝炎のうち初発症状発現8週以内に昏睡Ⅱ度以上の肝性脳症を来し,プロトロンビン時間40%以下を示すものを劇症肝炎と定義する.

肝性昏睡まで11日以上の経過がある亜急性型で特に死亡率が高い.

B型肝炎からの劇症肝炎が最も多いが,妊娠後期でのE型肝炎も劇症化しやすい.

非A非B型肝炎,Bil高値,間接型Bil優位,PT延長,ChE低値などは劇症化の予測因子である.

日本の劇症肝炎の原因としてはB型肝炎が40%,A型肝炎が10%,薬剤が10%,それ以外のウイルスや原因不明が40%を占める〔Hepatol Res. 2008 Nov; 38

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?