疾患を疑うポイント
最初に高血圧を指摘された時点の血圧が高いこと,降圧治療の中断,長期にわたる精神的・身体的負荷が発症に関与するといわれ,急激な腎機能低下と拡張期血圧の顕著な上昇が特徴である.
▼定義
現在は加速型-悪性高血圧とよぶことが多い.拡張期血圧が120~130mmHg以上であり,腎機能障害が急速に進行し,放置すると全身症状が急激に悪化し,心不全,高血圧性脳症,脳出血などを発症する予後不良の病態.
▼病態
長期の高度の高血圧による細動脈の内皮障害,血管壁への血漿成分の侵入に続くフィブリノイド壊死,増殖性内膜炎が病理学的特徴であり,腎の病理所見は悪性腎硬化症とよばれる.この病態では進行性の腎機能障害と昇圧の悪循環を生じる.眼底では網膜出血,軟性白斑,網膜浮腫や乳頭浮腫を認める.脳においては,血管障害によって血流の自動調節能が破綻し,脳浮腫が生じれば,高血圧性脳症となりうる.
▼疫学
降圧療