診療支援
治療

2 クラミジア・トラコマチスによる感染症
chlamydial infection
三鴨 廣繁
(愛知医科大学大学院主任教授・臨床感染症学)

▼定義

‍ Chlamydia trachomatisによる感染症である.本菌の大きさは直径0.3μmで一般細菌とウイルスの中間に位置する.細菌と同様にDNAとRNAを有し,グラム染色では陰性桿菌に分類されるが,自らATPを産生・増殖できないため偏性細胞内寄生性がある.生活環は2形態をとり,感染型である基本小体と増殖型である網様体の2つの細胞サイクルがある.基本小体は生体内の細胞に感染し取り込まれ,宿主からエネルギーや栄養を取得し,宿主細胞内で網様体に形を変えて増殖する.その後中間体を経て再び基本小体となりほかの細胞に感染する.血清学的に18種類の血清型(A~K,L1~3,Ba,D',I',L2')に分類され,A~Cが眼感染症,D~Kが性感染症,L1~3が性病性鼠径リンパ肉芽腫の原因となる.日本で分離される血清型は約70%がD,E,F,Gである.C. trachomatis感染ではHsp60

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