診断のポイント
【1】2,500m以上の高所環境。
【2】高所における頭痛,めまい,吐き気の症状。
【3】急性高山病(AMS)の既往。
緊急対応の判断基準
【1】AMSの重症型として以下の2つがある。
❶高地脳浮腫(high altitude cerebral edema:HACE):高所環境においてAMSの症状の有無にかかわらず,精神状態の変化,運動失調を呈する。
❷高地肺水腫(high altitude pulmonary edema:HAPE):高所環境においてAMSの症状の有無にかかわらず,安静時の呼吸困難,チアノーゼ,ラ音を聴取する。
【2】HACE,HAPEは生命にかかわる場合があり,酸素投与(SpO290%以上を目標)を行いながら直ちに低地へ搬送する。
症候の診かた
【1】登山などにより高所環境へ移動した際に発症する。
【2】頭痛はほぼ必発であり胃腸症状,疲労・脱力,めまい・ふらつきなどの症状を伴