診療支援
診断

羊水量の異常
Abnormality of Amniotic Fluid Volume
田中 守
(慶應義塾大学教授・産婦人科学教室)

診断のポイント

【1】羊水量は,胎児尿産生+肺胞液分泌による増加と嚥下に伴う現象のバランスで決まり,通常は適切な量にコントロールされている。

【2】羊水過少は前期破水で起こりうる。

【3】羊水過少,羊水過多は胎児異常,染色体異常,胎児発育遅延によって起こりうる。

【4】羊水過少と羊水過多は周産期異常に密接に関連するため,妊娠中の超音波スクリーニング検査を行う場合,羊水量について気をつける必要がある。

緊急対応の判断基準

 羊水過少,特に羊水が全く認められない場合,迅速な原因診断が必要である。

症候の診かた

 羊水量は,基本的に超音波断層法での診断となる。

検査所見とその読みかた

【1】羊水量の半定量的評価

❶最大羊水深度法:最大羊水深度〔SDP(single deepest pocket),MVP(maximum vertical pocket),largest vertical pocket〕とは,最大の羊水

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?