診断のポイント
【1】運動症状(脱力,麻痺,異常な運動など)や感覚症状(皮膚感覚,視覚,聴覚などの異常)を示すが,その所見が神経疾患に適合しない。
【2】明らかな意識の障害または喪失を伴うてんかん発作に類似するエピソード(心因性非てんかん性発作)も含まれる。
【3】発症にはストレス因および心的外傷体験が関連する可能性がある。
【4】年少の子どもと女性で身体症状化しやすいとされるが,発症のピークは,心因性非てんかん性発作は20歳台,運動症状は30歳台である。
【5】女性で男性の2~3倍認められる。
症候の診かた
【1】診察や検査で得られた所見の一貫性が乏しく,異なる手法で得られた所見同士が矛盾することがある。
❶例えば,運動症状は特定の神経支配領域に対応するものではない。歩行障害が重いわりには筋力低下が軽度で,麻痺のある足にも筋萎縮を認めないことが多い。
❷心因性非てんかん性発作では,瞼を開けようとすると抵抗