●病態
・肝型糖原病は,グリコーゲン代謝経路の酵素やトランスポーターの異常により,グリコーゲン合成や分解の障害が引き起こされる疾患である糖原病のうち,肝が罹患する疾患群.
・Ⅰ型(Ia型:グルコース-6-ホスファターゼ欠損症,Ib型:グルコース-6-リン酸トランスロカーゼ欠損症),Ⅲ型(グリコーゲン脱分枝酵素欠損症),Ⅳ型(グリコーゲン分枝鎖酵素欠損症),Ⅵ型(肝グリコーゲンホスホリラーゼ欠損症),Ⅸ型(ホスホリラーゼキナーゼ欠損症)がある.
・組織にグリコーゲン〔Ⅲ型ではホスホリラーゼ限界デキストリン(PLD),Ⅳ型ではアミロペクチン様グリコーゲン〕が蓄積する.
・Ⅰ型,Ⅲ型,Ⅵ型,Ⅸ型の主要症状は肝腫大,低血糖,成長障害.Ⅳ型では低血糖は認めず,肝脾腫などを生じる.
・「新生児マススクリーニング対象疾患等診療ガイドライン2019」(日本先天代謝異常学会編)参照.
●治療方針
A.Ⅰ型糖原病
1.急性期
関連リンク
- 治療薬マニュアル2024/アロプリノール《ザイロリック》
- 治療薬マニュアル2024/ベザフィブラート《ベザトールSR》
- 臨床検査データブック 2023-2024/ケトン体分画 [保] 59点
- 臨床検査データブック 2023-2024/乳酸《有機モノカルボン酸》 [保] 47点
- 臨床検査データブック 2023-2024/遺伝性代謝疾患 その他の先天性糖代謝異常
- 新臨床内科学 第10版/1 糖尿病ケトアシドーシス
- 今日の診断指針 第8版/小児の糖原病
- 今日の精神疾患治療指針 第2版/インスリノーマに伴う精神症状
- 今日の小児治療指針 第17版/筋型糖原病
- 今日の小児治療指針 第17版/高チロシン血症
- 今日の小児治療指針 第17版/シトリン欠損症
- 今日の小児治療指針 第17版/ビタミン欠乏症・過剰症・依存症