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本書の初版が出版されたのは1997年で,それから四半世紀の時が流れた.今までの序文を読み返しても,この間に社会にも科学にも大きな変化があったが,ここ数年の社会を根底からひっくり返すような変化は,強烈であった.第1は,新型コロナウイルスの世界的パンデミックであった.わが国では2020年2月から流行が始まり,「生命か,経済か」という二律背反を喧伝され,結局,両方とも失ったような気がする.感染を抑え込みつつ,経済成長を果たした国もあるなかで,わが国は,残念ながらコロナ敗戦国と言っていいだろう.すなわち,わが国の科学と医学の劣化は,新型コロナウイルスに対する,診断試薬,ワクチン,そして治療薬,このいずれの開発においても後れをとったことで明らかになった.さらに科学の劣化のみならず,ガバナンスの劣化も明らかになった.政治・経済に権限をもつものが臨床試験という科学を蹂躙しようとし,ICT(情報通信技術
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