Ⅰ.血液検査の基本的検査
ここでいう血液基本的検査とは,いわゆる血液系の疾患を疑った際に本当に血液疾患があるのか,また,すぐに処置を必要とするような重症のものでないのか,などを判定するために必要な最低限の検査と理解してもらいたい.より具体的には,①血液の専門でない医師が,血液疾患の有無を判定する場合,②血液専門の医師に紹介する際の状態の把握などが考えられる.また,一般医において,最低限これらの検査の意義と解釈に精通すべきという考えでもある.
Ⅱ.血液疾患の症状
血液疾患の臨床症状は多彩で,特異的なものは少ない.そのなかでも,貧血症状(動悸,息切れ,顔面蒼白など),原因不明の発熱や体重減少,易感染性,出血傾向,リンパ節腫脹,脾腫などがあれば,血液疾患を疑い,血液基本検査を行う.
Ⅲ.1次スクリーニング
表28図に,血液・造血器疾患を疑うときの1次スクリーニング検査(1992年の日本臨床検査医学会