Ⅰ.神経筋疾患の基本検査
詳細な病歴聴取と神経学的診察を基本として,神経画像,電気生理学,自律神経,高次機能,病理学,神経化学・免疫学検査を応用して診断を進めるが,特に血液・髄液より得られる神経化学免疫学的検査について述べる.患者は他科で種々の検査を受けていることが多く,できるだけ負担を軽減し,迅速に結果まで辿りつくことを心がけたい.
Ⅱ.神経筋疾患の症状
意識障害,認知障害,高次脳機能障害(失語,失認など),脳神経の障害,運動麻痺,筋萎縮,感覚障害,筋トーヌス異常,運動失調,歩行障害,不随意運動,自律神経症状など多種多様である.
Ⅲ.血液の1次スクリーニング
血液検査で即座に検出されるのは筋障害を示唆するCK,アルドラーゼなどの血清酵素上昇である.しかし,CK上昇は神経障害,たとえばGuillain-Barré症候群や筋萎縮性側索硬化症でも2倍程度認められることがある.脱神経変化による2次的
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