診療支援
検査

検査計画の進め方 感染症疾患
平井 由児
(東京医科大学八王子医療センター感染症科教授)

「感染症」であること


 感染症とは病原体が増殖し特定もしくはすべての臓器,細胞へのダメージを与える病態である.感染症に関与する病原体には臓器特異性があり,図19(背景,臓器,病原体)に示す関係性が成立する.これらの情報を得るためには十分な問診と身体所見の評価が必須であり,検査結果のみでの判断は不可能である.

 問診では年齢,性別,既往歴,生活歴,嗜好といった基本的な情報に加え,渡航歴,居住歴,食事歴,性的接触歴,ペット飼育,土壌や汚水への曝露歴,虫刺され,所属している社会集団や地域での感染症の流行状況,医療曝露歴を含めた時間軸を伴った多角的な情報聴取が重要である.現病歴は発熱の性状(例:shaking chillと呼ばれる,ガクガクと震え毛布が必要となるような状況)や経時的変化,臓器特異的症状(皮疹,意識障害,頭痛,咽頭痛,呼吸苦,腹痛,下痢,筋肉痛,関節痛など)の時間軸に基づく経過などこれ

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