基準値 22.0~40.0mg/dL
測定法 TIA法
検体量 血清0.3mL
日数 3~5日
目的 肝臓における蛋白合成の鋭敏な指標
Decision Level
●22.0mg/dL以下(減少)
[高頻度]術後栄養不良,栄養摂取不足,重症感染症,急性肝炎(急性期),慢性活動性肝炎,肝硬変 [可能性]吸収不良症候群 [対策]血清総蛋白,アルブミン,トランスフェリン,総コレステロールなどの測定,炎症マーカー測定,肝機能検査.高カロリー輸液,血漿蛋白補充
●40.0mg/dL以上(増加)
[高頻度]ネフローゼ症候群,甲状腺機能亢進症,妊娠後期 [可能性]軽度アルコール性肝障害(禁酒直後) [対策]蛋白合成に影響を及ぼす原疾患の検索
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
プレアルブミン(PA)は肝臓で合成されるが半減期が約2日と短く,rapid turnover protein(RTP)の一種と考えられる.そのため肝障害の程度をアルブミンや他の血清蛋白より早期に反映する.また,栄養アセスメント蛋白としての意義が最近注目されている.
急性肝炎では初期に減少するが,低値が持続するときは重症化を考える.食事摂取の不足,吸収不良症候群などの栄養障害では,アミノ酸摂取不足から肝臓でのPA合成低下をきたし血中濃度が低下する.炎症性疾患,外傷,手術などでは蛋白の異化亢進や炎症巣への滲出によりPAは減少する.ネフローゼ症候群や甲状腺機能亢進症では産生が亢進し高値を示す.
[関連する検査]
血清アルブミンは半減期が比較的長いので,栄養摂取量が確保されても血清アルブミン値はすぐには上昇しないことに注意が必要である.
判読
①新生児期は成人の約1/2の血中濃度を示すが,1歳で成人とほぼ同じ値に達する.②女性は男性より高い傾向を示す.
採取保存
①4℃で2~3日の保存が可能.②長期保存は-20℃以下で行う.
薬剤影響
上昇脂肪乳剤の
関連リンク
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