診療支援
検査

免疫電気泳動法  
immunoelectrophoresis
橋本 佳明
(入間ハート病院内科)

測定法 免疫電気泳動法


検体量 血清0.5mL


日数 2~7日


目的 M蛋白のクラスおよびL鎖の型判定


NOTE‍ 保険点数:170点(抗ヒト全血清),218点(特異抗血清)


Decision Level

●M蛋白が出現する疾患

[高頻度・可能性]良性M蛋白血症,骨髄腫,ALアミロイドーシス,慢性リンパ性白血病,B細胞性リンパ腫,マクログロブリン血症など [対策]M蛋白の免疫化学的定量.原疾患の診断と治療


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

●一般臨床における主たる検査目的

 M蛋白〔単クローン性免疫グロブリン(monoclonal protein)〕のクラス(IgG,IgA,IgM,IgD,IgE)およびL鎖の型(κ,λ)判定.

●免疫電気泳動法とは

 アガロース電気泳動法とゲル内沈降反応を組み合わせた定性的分析法である.さまざまな蛋白の同定が可能である.一般臨床検査においては,M蛋白のクラスおよびL鎖の型判定に用いられることが多い.M蛋白の存在は,形質細胞やリンパ球様細胞がクローン性に増加していることを意味する.

 特定欠損(低下)蛋白の同定にも役立つ.


[関連する検査]

 同様の検査として電気泳動免疫固定法があり,一般的には電気泳動免疫固定法のほうが検出感度は高い.


採取保存

 血清分離後,冷蔵保存で約1週間,凍結保存で長期安定.


保険注意

①免疫グロブリンL鎖κ/λ比と免疫電気泳動法(抗ヒト全血清)または免疫電気泳動法(特異抗血清)を同時に実施した場合は,主たるもののみ算定する.②免疫電気泳動法(抗ヒト全血清)および免疫電気泳動法(特異抗血清)については,同一検体につき1回に限り算定する.③同一検体について免疫電気泳動法(抗ヒト全血清)および免疫電気泳動法(特異抗血清)を併せて行った場合は,主たる点数のみを算定する.


推奨する総説

 木村 聡ほか:免疫電気泳動.medicina 42:126-129,20

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