診療支援
検査

グアナーゼ〔GU〕   35点
guanase
橋本 直明
(東都春日部病院・副院長)

基準値 1.3IU/L/37℃以下


測定法 グアニン基質rate assay(NBT法)


検体量 血清0.5mL


日数 2~4日


目的 肝疾患の診断の一助


Decision Level

●高度増加

[高頻度]急性肝炎 [可能性]劇症肝炎 [対策]肝炎ウイルスマーカーの検索,感染源の問診.AST,LD,総ビリルビン,PTの測定.アルブミン,ChE,総コレステロールの測定.腹部超音波.要入院

●中等度増加

[高頻度]慢性肝炎の急性増悪 [可能性]閉塞性黄疸,肝細胞癌,急性アルコール性肝炎 [対策]感染源,腹痛,飲酒の問診.AST,LD,γ-GT,ALPの測定.肝炎ウイルスマーカーの検索.総ビリルビン,PT,アルブミン,ChE,総コレステロールの測定.AFP,PIVKA-Ⅱの測定.腹部超音波,肝生検

●軽度増加

[高頻度]慢性肝炎,肝硬変/肝細胞癌 [可能性]自己免疫性肝炎,薬物性肝障害,アルコール性肝障害,原発性胆汁性胆管炎,脂肪肝,腎梗塞 [対策]感染源,薬物,飲酒の問診.肝炎ウイルスマーカーの検索.γ-GT,ALP,総ビリルビン,PTの測定.アルブミン,ChE,総コレステロールの測定.抗核抗体,IgG濃度,LE細胞の測定.AFP,PIVKA-Ⅱの測定.ICG15分値,アンモニア値の測定.上部消化管内視鏡,腹部超音波,肝生検


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 グアナーゼは主として肝細胞可溶性画分に存在する酵素で,肝細胞の壊死,破壊の程度を反映して血中に逸脱する.ALTと異なり,骨格筋,心筋にはほとんど存在しないため,ALTよりも肝疾患に対する特異性が強い.

 肝細胞の壊死,破壊の原因は,肝炎ウイルス,薬物などいずれでもよいが,脂肪肝ではALTに比べて上昇の程度が少ない.心筋梗塞では原則として上昇しないが,うっ血性心不全を伴う場合は上昇する.


[関連する検査]

 日常的にはAST,ALT,LDの測定で十分

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?