基準値 1.3IU/L/37℃以下
測定法 グアニン基質rate assay(NBT法)
検体量 血清0.5mL
日数 2~4日
目的 肝疾患の診断の一助
Decision Level
●高度増加
[高頻度]急性肝炎 [可能性]劇症肝炎 [対策]肝炎ウイルスマーカーの検索,感染源の問診.AST,LD,総ビリルビン,PTの測定.アルブミン,ChE,総コレステロールの測定.腹部超音波.要入院
●中等度増加
[高頻度]慢性肝炎の急性増悪 [可能性]閉塞性黄疸,肝細胞癌,急性アルコール性肝炎 [対策]感染源,腹痛,飲酒の問診.AST,LD,γ-GT,ALPの測定.肝炎ウイルスマーカーの検索.総ビリルビン,PT,アルブミン,ChE,総コレステロールの測定.AFP,PIVKA-Ⅱの測定.腹部超音波,肝生検
●軽度増加
[高頻度]慢性肝炎,肝硬変/肝細胞癌 [可能性]自己免疫性肝炎,薬物性肝障害,アルコール性肝障害,原発性胆汁性胆管炎,脂肪肝,腎梗塞 [対策]感染源,薬物,飲酒の問診.肝炎ウイルスマーカーの検索.γ-GT,ALP,総ビリルビン,PTの測定.アルブミン,ChE,総コレステロールの測定.抗核抗体,IgG濃度,LE細胞の測定.AFP,PIVKA-Ⅱの測定.ICG15分値,アンモニア値の測定.上部消化管内視鏡,腹部超音波,肝生検
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
グアナーゼは主として肝細胞可溶性画分に存在する酵素で,肝細胞の壊死,破壊の程度を反映して血中に逸脱する.ALTと異なり,骨格筋,心筋にはほとんど存在しないため,ALTよりも肝疾患に対する特異性が強い.
肝細胞の壊死,破壊の原因は,肝炎ウイルス,薬物などいずれでもよいが,脂肪肝ではALTに比べて上昇の程度が少ない.心筋梗塞では原則として上昇しないが,うっ血性心不全を伴う場合は上昇する.
[関連する検査]
日常的にはAST,ALT,LDの測定で十分
関連リンク
- 臨床検査データブック 2023-2024/ALT《GPT》 [パニ][小][保] 17点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/AST《GOT》 [パニ][小][保] 17点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/γ-GT(γ-グルタミルトランスフェラーゼ)《γ-GTP》(γ-グルタミルトランスペプチダーゼ) [小][保] 11点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/アミラーゼ [パニ][小][保] 11点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/アミラーゼアイソザイム [保] 48点
- 臨床検査データブック 2023-2024/膵型〔P型〕アミラーゼ [保] 48点
- 臨床検査データブック 2023-2024/尿中トリプシノーゲン2 [保] 105点
- 臨床検査データブック 2023-2024/尿アミラーゼ [保] 11点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/膵ホスホリパーゼA2〔膵PLA2〕 [保] 204点
- 臨床検査データブック 2023-2024/トリプシン《IRT》 [保] 189点
- 臨床検査データブック 2023-2024/リパーゼ [保] 24点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/ビリルビン 間接ビリルビン [小]
- 臨床検査データブック 2023-2024/ロイシンアミノペプチダーゼ〔LAP〕 [保] 11点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/直接ビリルビン優位の増加,間接ビリルビン優位の増加
- 今日の診断指針 第8版/体質性黄疸