基準値
・男性:100~200mg/dL
・女性:130~250mg/dL
測定法 ネフェロメトリー法
検体量 血清0.4mL
日数 4~7日
目的 ①プロテアーゼ阻害薬の1つとして前立腺癌の治療効果判定,②DICやネフローゼ症候群の診断補助
Decision Level
●40mg/dL以下(高度減少)
[高頻度]造血器腫瘍,骨転移を伴う前立腺癌,末期癌 [可能性]遺伝性α2-マクログロブリン欠損症 [対策]血液・骨髄像,腫瘍マーカー,画像診断
●40mg/dL~基準下限(減少)
[高頻度]造血器腫瘍,前立腺癌,末期癌,DIC,関節リウマチ,腎不全,低エストロゲン血症,肝障害 [可能性]筋萎縮性側索硬化症,Ehlers-Danlos症候群 [対策]「高度減少」と同様,原疾患の検索
●基準上限以上(増加)
[高頻度]糸球体腎炎,ネフローゼ症候群,糖尿病,高エストロゲン血症 [可能性]ataxia telangiectasia [対策]原疾患の検索
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
α2-マクログロブリンは血中に存在するプロテアーゼ阻害薬としては量的に最も多い.分子量77万~82万で肝,網内系組織,骨格筋などで産生される.
前立腺癌ではα2-マクログロブリンは減少または欠如するが,前立腺癌より放出されたプロテアーゼがα2-マクログロブリンと複合体を形成し,この複合体の異化が亢進するため血清値が低下すると考えられている.治療によって再び増加することから治療効果の判定に用いることができる.
DICではプラスミン・α2-マクログロブリン複合体ができ,この複合体が速やかに代謝されることから血清値が低下する.
ネフローゼ症候群では分子量が大きいため尿中に排泄されず血中に残り,低蛋白血症による蛋白合成能亢進により血清値が上昇すると考えられる.
[関連する検査]
α2-マクログロブリン/アルブミン比の上昇は腎性血尿
関連リンク
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- 臨床検査データブック 2023-2024/コリンエステラーゼ〔ChE〕 [小][保] 11点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/セルロプラスミン [保] 90点
- 臨床検査データブック 2023-2024/ハプトグロビン〔Hp〕 [保] 132点
- 臨床検査データブック 2023-2024/ピルビン酸キナーゼ〔PK〕 [保] 150点
- 臨床検査データブック 2023-2024/ミオグロビン [保] 135点
- 臨床検査データブック 2023-2024/HDL-コレステロール〔HDL-C〕 [保] 17点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ〔LCAT〕 [保] 70点
- 臨床検査データブック 2023-2024/カテコールアミン〔CA〕 [保]*
- 臨床検査データブック 2023-2024/免疫グロブリンA〔IgA〕 [小][保] 38点