基準値 30mg/dL以下
測定法 ラテックス凝集比濁法
検体量 血清0.5mL
日数 2~4日
目的 動脈硬化起因性Lp(a)の評価
Decision Level
●30mg/dL以上(増加)
[高頻度・可能性]虚血性心疾患,脳血管障害,血管性認知症,閉塞性動脈硬化症,糖尿病,腎疾患,心筋梗塞発作後,手術後 [対策]原疾患の治療〔高Lp(a)血症に対して治療の必要があるかどうかは,現在のところ確認されていない〕
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
Lp(a)はLDLに類似した粒子で,アポ蛋白Bにアポ蛋白(a)がS-S結合をしているリポ蛋白である.アポ蛋白(a)はプラスミノゲンのクリングル構造に類似した構造をとっているため,Lp(a)は血液凝固線溶系にも影響を与えている可能性が考えられている.日本人のLp(a)濃度は低値に多く分布する対数正規分布を示すため基準値を決定することが困難であるが,25~30mg/dL以下を正常と判断することが多い.
Lp(a)高値の患者に上記疾患や,PTCA後の再狭窄が起こりやすいことが知られているが,Lp(a)を低下させることでこのような疾患が予防できるかどうかについてはまだ知られていない.したがって,高Lp(a)血症を積極的に治療する必要があるかどうかはいまだ不明である.ちなみにLp(a)を低下させる薬剤としてニコチン酸が知られている.
[関連する検査]
高値を示す場合,他の動脈硬化リスク因子(LDL-コレステロール,HDL-コレステロールなど)と併せて評価する.
判読
①性別,年齢,食事などの影響は少ない.乳幼児では低値を示す.②同一個人の値は遺伝的に規定されておりおおむね一定である.③人種差が大きい.④妊娠中に高値を示す.
採取保存
①空腹時採血の必要は必ずしもない.②凍結保存にてかなり長期間安定である.
保険注意
3カ月に1回を限度として算定できる.
推奨する総説
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