診療支援
検査

総胆汁酸   47点
total bile acid
木下 誠
(東レ(株)医務室)

基準値 10μM以下


測定法 酵素法


検体量 血清0.5mL


日数 2~4日


目的 肝臓の代謝能の指標


Decision Level

●10~40μM(増加)

[高頻度・可能性]急性肝炎,慢性肝炎,代償性肝硬変,肝癌,体質性黄疸 [対策]原疾患の治療

●40μM以上(高度増加)

[高頻度]非代償性肝硬変,劇症肝炎,肝内胆汁うっ滞,肝外胆汁うっ滞 [可能性]急性肝炎,代償性肝硬変,肝癌 [対策]原疾患の治療,胆汁酸を低下させるためには陰イオン交換樹脂を用いる


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 胆汁酸は肝細胞でコレステロールより生成され,胆汁として十二指腸に排泄される.排泄された胆汁酸は回盲部末端より再吸収され,門脈を経由して肝臓に戻ってくる閉鎖的腸肝循環を行っている.しかし肝細胞障害があると,肝臓での胆汁酸処理能が低下し血中胆汁酸濃度が増加する.

 また胆汁うっ滞時には,破綻した胆道系から血液中に胆汁酸が流入す

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