基準値
・64±18U/L(男性45歳未満,女性55歳未満)
・83±22U/L(男性45歳以上,女性55歳以上)
測定法 サンドイッチELISA
検体量 血清0.3mL
日数 10~14日
目的 動脈硬化惹起性リポ蛋白である酸化LDL量の指標
Decision Level
●増加(基準値以上)
[高頻度・可能性]高LDL-コレステロール血症,小粒子LDL増加,糖尿病,虚血性心疾患 [対策]原疾患の治療,動脈硬化リスクの軽減
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
酸化LDLは血管内皮下でマクロファージに取り込まれ,粥状動脈硬化の発症原因となるリポ蛋白の1つである.リポ蛋白の酸化変性は蛋白,脂質のどの部分でも起こりうるが,マロンジアルデヒド(MDA)はLDLの脂肪酸が酸化変性を受けたときに生じるアルデヒドのなかで最も多量に存在する物質である.単クローン抗体を用いて血液中MDAを有するLDLをELISAで測定するのが,MDA-LDLである.MDA-LDL測定によりすべての酸化LDLが測定できているわけではないが,血液中に存在する酸化LDL量を表す指標にはなっていると考えられる.
酸化LDLは血管内皮下に侵入しやすく,マクロファージに取り込まれることにより動脈硬化の初期病変であるプラークの形成に関わっている,動脈硬化症惹起性のリポ蛋白である.虚血性心疾患(CAD)患者においては酸化LDL濃度が有意に高値を示していることや,心臓移植を受けた患者で移植後の心臓に冠動脈硬化症が出現した群では酸化LDLが高値であったことなどがすでに報告されている.MDA-LDLにおいても,CADを有する糖尿病患者でMDA-LDLが高値の場合にCADの再発率の高いことが知られている.
したがって,MDA-LDLは動脈硬化性疾患のリスクを把握する検査として有用で,特に糖尿病などの高リスク患者においては将来のCAD発症リスクを評