基準値 36~44mmHg
ただし,身長および年齢に伴って基準値は軽度変動する(判読の項を参照)
パニック値 20mmHg以下,70mmHg以上
パニック値とその原因病態・危険病態表
測定法 CO2ガラス電極法
検体量 動脈血1mL
日数 即時(測定機器が院内に必要)
目的 酸塩基平衡異常の診断,呼吸状態の把握
NOTE *保険点数:135点(血液ガス分析)
Decision Level
PaCO2は肺の換気状態と相関する臨床上重要な指標である.PaCO2は血漿HCO3-濃度とともに酸塩基平衡において主要な役割を果たしており,その評価はガス交換・換気や呼吸器の異常のみならず,酸塩基平衡異常の観点より行うことが必須である.
■PaCO2高値(hypercapnia)
換気の低下・肺胞低換気に起因する
●pH<7.4(呼吸性アシドーシス)
[高頻度]気道疾患(COPD,気管支喘息重積発作,異物による気道閉塞,睡眠時無呼吸症候群) [可能性]呼吸中枢抑制(向精神薬や麻酔などの薬剤,脳血管障害,甲状腺機能低下症),神経筋疾患(重症筋無力症,Guillain-Barré症候群,多発性硬化症,低K血症),胸郭異常(frail chest,側彎症,後彎症) [対策]原因除去,アシドーシスが重度の場合は呼吸管理(人工呼吸器を含む).ただし,過度の酸素投与は呼吸抑制による低換気をきたし呼吸性アシドーシスを悪化(CO2ナルコーシス)させるので,低量の酸素投与にとどめる.また,慢性呼吸性アシドーシスにおける呼吸管理では過炭酸後(posthypercapnic)アルカローシスの出現にも注意する.なお,アルカリ剤の投与については,HCO3-が血液脳関門(blood brain barrier)を通過しにくいこと,HCO3-の代謝によりCO2が産生されむしろアシドーシスを悪化させること,塩分負荷となりうることなどの理由に