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検査

動脈血O2飽和度〔SaO2〕《観血的動脈血O2飽和度》,経皮的動脈血O2飽和度〔SpO2〕《非観血的動脈血O2飽和度》   35点
★★★
arterial O2 saturation《invasive arterial O2 saturation》,percutaneous(pulse oximeter,pulse oximetry,peripheral) oxygen saturation《non-invasive arterial O2 saturation》
石井 彰
(公害健康被害補償不服審査会)

基準値‍ SaO2SpO2:ともに96%以上(96~99%)


測定法

SaO2:COオキシメータ(またはPaO2,pHより計算)

SpO2:パルスオキシメータ


検体量

SaO2:動脈血1mL

SpO2:非侵襲的


日数 即時


目的 動脈血の酸素化レベルの簡易把握


Decision Level

SaO295%以下(低下)

[高頻度]95%以下は低酸素血症.90%以下は呼吸不全が疑われる.SaO2の低下は,ほとんどの場合,PaO2の低下と同じ原因で起こる.SaO2PaO2の関係は酸素解離曲線で示される [可能性]CO中毒,メトヘモグロビン血症,酸素解離曲線の右方偏位 [対策]基本的にはPaO2の低下に対する対策と同様である.急性期にはCO2ナルコーシスに注意しながら酸素投与.状況により,気道確保,人工換気.同時に原因検索を進め,原因除去.慢性の場合,酸素投与しつつ(CO2ナルコーシスに注意)原疾患に対する治療

SpO295%以下(低下)

[高頻度]95%以下は低酸素血症.90%未満は呼吸不全が疑われる.SaO2同様,基本的にはPaO2の低下と同じ原因で起こる.SaO2とよく相関する [可能性]酸素解離曲線の右方偏位.真のSaO2低下によるSpO2低下以外の原因はNOTE参照 [対策]真のSaO2低下に関してはSaO2低下の項参照.それ以外はNOTEを参照し,可能な限り原因除去

NOTE‍ SpO2測定値に影響を及ぼす要因

・真のSaO2よりSpO2が低めにでる要因:ほとんどはセンサー装着の不完全による.その他,末梢循環不全,うっ血(末梢静脈血も拍動するので,動脈血と認識されるためSpO2は低値になる),メチレンブルー使用時,濃色のマニキュア使用時など

・真のSaO2よりSpO2が高めにでる要因:一酸化炭素(CO)中毒,メトヘモグロビン血症など


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 肺から取り込まれた

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