診療支援
検査

ビタミンB2《リボフラビン》   242点
vitamin B2《riboflavin》
鹿住 敏
(武庫川女子大学栄養科学研究所)

基準値 全血総ビタミンB2:66~111ng/mL(175~295nmol/L)


測定法 HPLC


検体量 全血0.5mL


日数 3~5日


目的 ビタミンB2栄養状態の判定


Decision Level

●60ng/mL以下(低値)

[高頻度]ビタミンB2欠乏症 [可能性]肝障害,糖尿病,甲状腺機能亢進症,副腎皮質機能低下 [対策]ビタミンB2の経口投与.ビタミンB2の腸管吸収性は良好で,大量投与の場合にもビタミンB1のように易吸収性誘導体を用いる必要はない


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 ビタミンB2は血中にFAD(flavin adenine dinucleotide),FMN(flavin mononucleotide,riboflavin 5'-phosphate),FR(free riboflavin)の3型が存在する.三者を併せて総ビタミンB2と呼ぶ(FRに換算).

 ビタミン欠乏症では全血総ビタミンB2濃度は低値を示す.血漿ビタミンB2濃度は当日のB2摂取の影響を受けやすく,24時間尿中ビタミンB2排泄量は早期から低下するが,生理的変動幅が大きく,いずれも全血ビタミンB2濃度より指標性が低い.利用障害の判定には全血ビタミンB2成分(FAD,FMN,FR)の分画測定,ビタミンB2負荷試験(FMN-Na塩25.42mg筋注)が行われる.利用障害例ではFADの生合成が障害されるため,ビタミンB2負荷試験で30分後に総ビタミンB2はいったん基準範囲を超えて上昇するが,その後速やかに下降し,2時間後のFAD+FMN/総ビタミンB2比は低く,3時間尿中B2排泄率は上昇する.赤血球グルタチオンレダクターゼ(EGR)活性の低下およびFAD効果(試験管内でFADを添加した際の同活性上昇率)の上昇は,ビタミンB2そのものより測定が容易なため,ビタミンB2栄養状態のスクリーニングに用いられ,特に

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