基準値
・血清葉酸:4.4~13.7ng/mL(10.0~31.0nmol/L)
・赤血球葉酸:140~628ng/mL(317~1,422nmol/L)
NOTE 葉酸摂取量を考慮せずに求めた血清葉酸基準値として2.4~9.8ng/mLが用いられているが,必要量は血清葉酸を3.1ng/mL(7μmol/L)以上に保つために必要な量(170μg)をもとに策定されているので,必要量を満たしていないものを含むことになる
測定法 化学発光を用いる競合的結合測定法(CL・CPBA),ビオチン・アビジン結合,化学発光を用いる競合的結合測定法(CL・CPBA-BA)
検体量 血清0.5mL
日数 2~4日
目的 葉酸欠乏による巨赤芽球性貧血の確定診断
NOTE *保険適用:血清葉酸のみ適用される
Decision Level
●血清葉酸:4.4ng/mL未満(低値)
●赤血球葉酸:140ng/mL未満(低値)
[高頻度]巨赤芽球性貧血 [可能性]小児性甲状腺機能亢進症,アルコール依存症,低栄養状態,壊血病,慢性肝疾患,ビタミンB12欠乏症,妊娠,アミノ酸摂取過剰,Lesch-Nyhan症候群,無酸性胃炎,長期血液透析,セリアック病,熱帯性スプルー,Crohn病,潰瘍性大腸炎,吸収不良症候群,骨髄線維症,ビタミンB6欠乏性溶血性貧血,グルタチオン代謝障害,限局性腸炎,Whipple病,アミロイドーシス,広範囲腸切除,落屑性皮膚炎 [対策]葉酸5~20mgを経口投与する
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
葉酸欠乏の進行に際し,最初に血清葉酸の低下が起こり,次いで好中球過分葉,尿中ホルムイミノ-L-グルタミン酸(FIGLU)増加,赤血球葉酸球低下,大赤血球出現,骨髄像における巨赤芽球出現が順次観察される.
ただし血清葉酸は直近の葉酸摂取の影響を受けやすく,赤血球葉酸は組織の葉酸栄養状態を一層正確に反映する.血清,
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