診療支援
検査

卵胞刺激ホルモン〔FSH〕   108点(包)
follicle stimulating hormone
加治 秀介
(兵庫県立大学名誉教授)

基準値

●女性

●前思春期

・10歳未満:0.54~2.47mIU/mL

・10歳以上:1.16~3.65mIU/mL

●思春期

・Tanner分類2~3期:1.49~5.95mIU/mL

●月経周期

・卵胞期初期:2.7~10.2mIU/mL

・排卵期ピーク:2~23mIU/mL

・黄体期:1.0~8.4mIU/mL

●妊娠時 1mIU/mL以下

●閉経後 9.2~124.7mIU/mL

●男性

●前思春期

・10歳未満:0.38~1.11mIU/mL

・10歳以上:0.95~3.57mIU/mL

●思春期

・Tanner分類2~3期:1.73~4.27mIU/mL

・Tanner分類4~5期:4.21~8.22mIU/mL

●成年期 1.2~15mIU/mL

●老年期 15mIU/mL以上


測定法 RIA(固相法),EIA,FIA,CLIA


検体量 血清0.5mL


日数 数時間~5日


目的 性腺機能異常の診断と評価


Decision Level

●高値

[高頻度]原発性性腺機能低下症,閉経後 [可能性]FSH産生下垂体腺腫,中枢性思春期早発症 [対策]①原発性性腺機能低下症には後天的な生殖器疾患以外に女性のTurner症候群,男性のKlinefelter症候群,精巣(睾丸)女性化症候群や性腺形成異常のような先天性疾患が含まれる.②FSH産生下垂体腺腫はまれな腺腫であるが,高齢者に多く,ホルモン過剰による目立った臨床症状を示さず,他の腺腫に比べると増殖速度が速い傾向がある下垂体腺腫である.女性患者で閉経以後FSHが生理的に高くなる年齢で下垂体腺腫が見つかった場合には,FSH高値がFSH産生腺腫からの分泌か,閉経後の高値+非機能性腺腫か鑑別がつきにくい場合もある.FSH産生腺腫では,1)LHの上昇を伴わないか,あってもごく軽度,2)TRH試験でFSHの増加がみられることがある,3)FSHの血中濃度に比しα-サブユニット,FSH-

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