Decision Level

●PA：1,600倍以上(高度増加)

●RIA，EIA：100U/mL以上(高度増加)

[高頻度]慢性甲状腺炎(橋本病)，萎縮性甲状腺炎(粘液水腫)　[可能性]Basedow病，ハシトキシコーシス　[対策]さらに抗ミクロソーム抗体または抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(抗TPO抗体)を測定する

●PA：100～1,600倍(軽度増加)

●RIA，EIA：0.3～100U/mL(軽度増加)

[高頻度]慢性甲状腺炎(橋本病)，Basedow病，無痛性甲状腺炎，甲状腺癌，腺腫様甲状腺腫，ハシトキシコーシス　[可能性]亜急性甲状腺炎の一時期，萎縮性甲状腺炎(粘液水腫)，膠原病　[対策]さらに抗ミクロソーム抗体または抗TPO抗体を測定する

●PA：100倍未満(基準値)

●RIA，EIA：0.3U/mL以下(基準値)

[可能性]単純性甲状腺腫，Basedow病，甲状腺腫瘍，亜急性甲状腺炎，腺腫様甲状腺腫　[対策]抗ミクロソーム抗体または抗TPO抗体を測定する

異常値のでるメカニズムと臨床的意義

　自己免疫性甲状腺疾患すなわちBasedow病と慢性甲状腺炎(橋本病)は臓器特異的自己免疫異常であり，甲状腺特有の蛋白質であるサイログロブリンに対して抗体が生じる．特に抗体価の高い症例ほど疾患重篤度が強い．

　高感度測定法であるRIAやEIA法は，感度のみならず抗原(サイログロ