基準値 15~65pg/mL
測定法 ECLIA
検体量 血清1mL
日数 1~3日
目的 副甲状腺機能亢進症および低下症の診断
Decision Level
●500pg/mL以上(高度増加)
[高頻度]慢性腎不全(透析中) [対策]腎機能を評価する
●65~500pg/mL(軽度~中等度増加)
[高頻度]腎機能不全症,原発性副甲状腺機能亢進症,骨軟化症 [可能性]吸収不全症候群,くる病,偽性副甲状腺機能低下症,異所性副甲状腺ホルモン(PTH)産生腫瘍(癌など),副腎皮質ホルモン製剤内服中 [対策]腎機能を評価する
●15pg/mL以下(減少)
[高頻度]二次性副甲状腺機能低下症(副甲状腺全摘出術後) [可能性]特発性副甲状腺機能低下症,ビタミンD中毒症,胃転移を伴う悪性腫瘍,多発性骨髄腫,急性Ca静注負荷 [対策]さらに高感度副甲状腺ホルモン(PTH-HS)を測定する
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
PTHは副甲状腺から血中に分泌された後代謝を受け,血中にはPTH-N末端部,PTH-C末端部,中間部を含むPTH,副甲状腺から放出されたままのintact-PTHの少なくとも4種のPTH分画が存在している.したがって本測定法は,副甲状腺から放出されたPTHそのものを検出しており,副甲状腺の機能に最もよく関係しているといえる.実際,選択的甲状腺静脈血採取にて副甲状腺腺腫の存在診断を行う場合,PTH-Nでは診断率は高くなく,本測定法での信頼性が最も高い.この長所を利用して,機能性副甲状腺腺腫を摘出した直後にintact-PTHを測定すると急速に低下を示すか否かで,手術が成功したことを確認できる.
[関連する検査]
①血中CaとP値を同時に測定し,総合的に判断する.②PTHrPを同月ではなく別の月に測定し,いずれの異常が主かを判定する.
判読
①環境条件により鋭敏に変化するので,測定時には採血の時間や条件を
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