基準値
・男性:6~18.4mg/日
・女性:3.55~11.2mg/日
測定法 比色法
検体量 蓄尿12mL
日数 6~7日
目的 副腎からの糖質コルチコイド分泌量の評価
NOTE 現在は受託機関なし
Decision Level
●男性で6mg/日,女性で3.55mg/日以下(基準下限以下)
[高頻度]副腎皮質機能低下症(Addison病,下垂体機能低下症) [対策]17-ヒドロキシコルチコステロイド(OHCS)や血中コルチゾール濃度を測定する
●男性で18.4mg/日,女性で11.2mg/日以上(基準上限以上)
[高頻度]副腎皮質機能亢進症(Cushing病,Cushing症候群,異所性ACTH産生腫瘍),副腎皮質刺激状態(ACTH,インスリンなどの投与時),先天性副腎皮質過形成(21-ヒドロキシラーゼ欠損症,11β-ヒドロキシラーゼ欠損症) [対策]17-OHCSや血中コルチゾール濃度を測定する
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
尿中に排泄されるC21ステロイドをNaBH4(水素化ホウ素ナトリウム)で還元後,NaIO4(メタ過ヨウ素酸ナトリウム)で酸化することによって17-ケトステロイド(KS)に変換される17-ヒドロキシ-21-ステロイドの総称である.副腎皮質から分泌される主要なコルチコイドであるコルチゾールおよびその前駆体や代謝産物の総量を知ることができる.量的にはコルチゾールが最も多く,したがって,コルチゾールの分泌量と並行するといえる.ただし,メチラポン(メトピロン®)試験では,11-デオキシコルチゾールが増量することにより,17-OHCSより17-KGSのほうが鋭敏とされている.
[関連する検査]
血中ACTH濃度と,より特異性の高い血中コルチゾール濃度を測定する.
判読
①性差・年齢差はあまりない.②蓄尿が完全であれば,日内変動も考慮しなくてよい.
採取保存
①トルエン蓄尿.②凍結保存.
関連リンク
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- 臨床検査データブック 2023-2024/11-ヒドロキシコルチコステロイド〔11-OHCS〕 [保] 60点
- 臨床検査データブック 2023-2024/17-ケトジェニックステロイド〔17-KGS〕-2分画 [保] 220点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/17-ケトステロイド〔17-KS〕-7分画 [保] 213点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/17-ケトステロイド〔17-KS〕-3分画 [保] 213点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/遊離コルチゾール [保] 124点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/降圧薬
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