基準値
●11-デオキシ-17-KGS
・男性:1.54~3.91mg/日
・女性:0.84~2.77mg/日
●11-オキシ-17-KGS
・男性:3.86~13.8mg/日
・女性:3.25~8.1mg/日
測定法 比色法
検体量 蓄尿12mL
日数 6~7日
目的 副腎からの糖質コルチコイドやその前駆体および代謝産物の分泌量の評価
Decision Level
●11-デオキシ-17-KGS/11-オキシ-17-KGSが0.2以下
[高頻度]Cushing症候群,副腎皮質機能低下症(Addison病,下垂体機能低下症)
●11-デオキシ-17-KGS/11-オキシ-17-KGSが0.2以上
[高頻度]先天性副腎皮質過形成(21-ヒドロキシラーゼ欠損症,11β-ヒドロキシラーゼ欠損症),メチラポン(メトピロン®)投与時
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
尿中に排泄される17-KGSをC-11位のOH基の有無により,カラムクロマトグラフィーにて,11-デオキシ-17-KGSと11-オキシ-17-KGSの2分画に分けて測定する.前者は副腎皮質から分泌される主要なコルチコイドであるコルチゾールの前駆体を,後者はその代謝産物の総量を反映する.11-デオキシ-17-KGSには,11-デオキシコルチゾール(S),テトラヒドロS,11-デオキシコルトール,17-ヒドロキシプレグネノロン,17-ヒドロキシプロゲステロン,プレグナントリオールなどが,11-オキシ-17-KGSには,コルチゾール(F),テトラヒドロコルチゾール,コルトール,コルチゾンなどが含まれる.
17-KGSと同様の意義があるが,副腎皮質ホルモン合成酵素欠損症の診断には,より有用である.
[関連する検査]
血中ACTH濃度を測定するとともに,より特異性の高い血中コルチゾール濃度や17-ヒドロキシプロゲステロン濃度を測定する.
判読
「17-KGS」の項
関連リンク
- 臨床検査データブック 2023-2024/17-ケトジェニックステロイド〔17-KGS〕 [保] 200点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/11-ヒドロキシコルチコステロイド〔11-OHCS〕 [保] 60点
- 臨床検査データブック 2023-2024/17-ケトステロイド〔17-KS〕-7分画 [保] 213点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/17-ケトジェニックステロイド〔17-KGS〕 [保] 200点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/鎮咳薬
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- 今日の整形外科治療指針 第8版/Ⅱ.介護保険関係書類(主治医意見書など)の書き方 (八幡 徹太郎)