基準値
・男性:58~160μg/日
・女性:31~99μg/日
測定法 RIA
検体量 蓄尿5mL
日数 5~11日
目的 副腎からの糖質コルチコイドの1日の総分泌量の評価
Decision Level
●男性で58μg/日,女性で31μg/日以下(基準下限以下)
[高頻度]Addison病,下垂体機能低下症 [可能性]ACTH単独欠損症,先天性副腎皮質過形成,合成副腎皮質ホルモン薬投与中,肝硬変 [対策]血中ACTHやコルチゾール濃度を同時に測定する
●男性で160μg/日,女性で99μg/以上(基準上限以上)
[高頻度]Cushing病,Cushing症候群(副腎腺腫,癌) [可能性]異所性ACTH産生腫瘍 [対策]血中ACTHやコルチゾール濃度を同時に測定する.デキサメタゾン抑制試験が鑑別に必要なこともある
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
尿中に排泄される非抱合型コルチゾールを定量する.血中に存在するコルチゾールの90%がコルチコステロイド結合グロブリン(CBG,トランスコルチン)と結合しており,核内に移行できず,生物学的には活性がない.残りの10%が遊離(非抱合型)コルチゾールとして存在しており,ホルモン作用を有する活性型といえる.血中コルチゾール濃度は,CBGなどの結合蛋白が増加した場合(妊娠後期や経口避妊薬などによるエストロゲン投与中など)は見かけ上,高値を示す.しかしながら,血中の遊離コルチゾール濃度と並行する尿中遊離コルチゾールは,このようなCBGが増加する状態でもその影響を受けず,生体内での糖質コルチコイドの活性をよく反映する.
[関連する検査]
異常値がでた場合,血中ACTH濃度とコルチゾール濃度を測定する.
判読
①運動やストレスで増加する.②妊娠時や単純性肥満症では増加しない.
採取保存
①蓄尿.②凍結.
薬剤影響
血中の遊離コルチゾールの高低をより早く反映するため,尿中遊離コル
関連リンク
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