基準値 陰性
測定法 免疫クロマト法,ELISA
検体量 頸管粘液または後腟円蓋の粘液を専用のダクロンスワブ(綿棒)で採取
日数 採取から判定まで約10分(免疫クロマト法)
目的 前期破水の診断
Decision Level
●陽性
[高頻度]破水 [可能性]穿刺後の羊水混入 [対策]破水を疑う場合で低値陽性の場合,1週後に再検査を行うか,頸管腟分泌液中癌胎児性フィブロネクチンを測定する
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
妊娠中の母体血中ではIGFBP-1が胎盤基底脱落膜で産生される.羊水中のIGFBP-1はさらに100倍以上の高濃度で,胎児肝由来と考えられる.それらが羊水中に溶出し,破水によって頸管粘液中にも増加する.
酵素免疫クロマト法では,ブルーラテックスコロイドと結合した抗体が検体中のIGFBP-1抗原と結合しつつ濾紙上を移動し,第2のIGFBP-1抗体を固着した部位に青色バンドとして集積した状態を目視で判定する.陽性の限界は1ng/mL程度と推定される.
2015年の米国でのメタアナリシスによると,有症状の単胎切迫早産妊婦でIGFBP-1が陰性であれば,48時間以内の分娩リスクが低いことの予測マーカーとなる可能性がある.
[感度・特異度]
本法での診断効率は,感度95%,特異度93%である.母体血液中の本物質の濃度は羊水の1/100~1/1,000と低濃度であり,血液混入でも偽陽性がないことから,フィブロネクチン,AFP,pHなどの他法に比較して特異性に優れている.
[見逃してはならない異常値]
陽性は羊水が腟分泌液に混入している所見であるため,破水を疑い,他の所見を併せて診断・対応する.
[関連する検査]
①子宮頸管粘液中顆粒球エラスターゼ,頸管腟分泌液中癌胎児性フィブロネクチンは同様の意義を有し,補完する検査として使用できる.②他に感染症の診断,腟分泌液中α-フェトプロテイン(AF
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