基準値
●女性
・22~25歳:0.28~8.01ng/mL
・26~30歳:0.29~12.2ng/mL
・31~35歳:0.07~10.0ng/mL
・36~40歳:9.23ng/mL以下
・41~45歳:4.48ng/mL以下
(測定キットにより異なる)
測定法 EIA,CLEIA,ECLIA
検体量 血清0.5mL
日数 2~4日
目的 調節卵巣刺激における治療方針の決定,卵巣予備能の評価
Decision Level
■調節卵巣刺激における治療方針の決定
減少・増加を判断するカットオフ値の設定はない.
[対策]値に応じて調節卵巣刺激に用いる薬剤(下垂体性ゴナドトロピン製剤)投与量を変更する.ホリトロピンデルタ(レコベル®)皮下注ペンでは,抗ミュラー管ホルモン(AMH)値と体重による投与量の算出法がある
■卵巣予備能の評価
●1.1~1.2ng/mL以下(減少)
[高頻度]調節卵巣刺激に対する低反応予測 [対策]不妊症患者における卵巣刺激方法を含む治療方針の検討
●4.0~7.0ng/mL以上(増加)
[高頻度]多嚢胞性卵巣症候群 [対策]超音波検査による多嚢胞性卵巣形態の評価および血中FSH,LH,アンドロゲン濃度測定
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
女性においてAMHは,出生後に主として卵巣の顆粒膜細胞から産生・分泌される.そのため卵巣に残存する卵胞数(卵巣予備能)を反映する指標となる.卵巣性無月経(抗癌剤治療後など医原性のものを含む)などでは,ごく低値あるいは測定感度以下となるが,これは残存する卵胞が極端に減少していることを示している.生理的および病的変化による低下は,不妊治療の際の薬剤による卵巣刺激に対する低反応の予測因子となる.多嚢胞性卵巣症候群では,AMHを産生する卵胞が増加するため,比較的高値を呈する.卵巣顆粒膜細胞腫でも高値を呈する.
[関連する検査]
従来,卵巣機能検査として卵胞刺激ホ