診療支援
検査

グルコース《血糖,ブドウ糖》  パニ 11点(包)
★★★
glucose
大原 毅
(兵庫県立はりま姫路総合医療センター副院長・糖尿病・内分泌内科部長)

基準値 空腹時血漿血糖70~110mg/dL

共用基準範囲 73~109mg/dL


パニック値 50mg/dL以下,350mg/dL以上

パニック値とその原因病態・危険病態


測定法 酵素法(glucose-oxidase;GOD)法


検体量 血漿0.5~1mL


日数 1~2日


目的 糖代謝の評価


Decision Level

●60mg/dL以下(高度低下)

[高頻度]インスリン・経口糖尿病薬の使用,反応性低血糖(ダンピング症候群) [可能性]膵β細胞腫,インスリン自己免疫症候群,下垂体機能低下症,副腎機能低下症,甲状腺機能低下症,肝腫瘍,アルコール性低血糖,糖原病(Ⅰ,Ⅲ,Ⅳ型),ロイシン過敏症,果糖不耐症 [対策]早急にグルコースの投与を行い,糖尿病治療の有無,服薬中の薬剤(特にインスリン,SU薬の使用歴),食事時間の関係,運動との関係を分析する.膵β細胞腫などを疑うときはインスリン値,血糖との関係を明らかにし,成長ホルモン,ACTH-副腎系の分泌不全を疑うときは各種ホルモン測定ならびに負荷テストを行う

●110mg/dL以上(軽度上昇)

[高頻度]2型糖尿病,1型糖尿病,境界型耐糖能異常 [可能性]胃切除後,甲状腺機能亢進症,Cushing症候群,褐色細胞腫,グルカゴノーマ,急性膵炎,慢性膵炎,膵腫瘍,異常インスリン血症,医原性高血糖,食事摂取後 [対策]グリコヘモグロビン,IRI,C-ペプチド,グルコース負荷試験(75g OGTT)などの測定を行う.糖尿病以外が疑われるときは,各種ホルモン検査や画像診断を行う

●126mg/dL以上(空腹時血糖,中等度上昇)

●200mg/dL以上(随時血糖,中等度上昇)

[高頻度]2型糖尿病,1型糖尿病 [可能性]上記疾患を含む [対策]グリコヘモグロビン,IRI,C-ペプチドなどの測定を行う.糖尿病以外が疑われるときは,各種検査を行う

●400mg/dL以上

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