基準値
・HbA1c(NGSP):4.6~6.2%
・HbA1c(JDS):4.3~5.8%
共用基準範囲 (NGSP)4.9~6.0%
測定法 HPLC法など
検体量 全血2mL
日数 1~2日
目的 ①糖尿病の診断,②血糖コントロールの評価
Decision Level
●異常高値
[高頻度]糖尿病 [可能性]鉄欠乏状態,赤芽球癆,異常ヘモグロビン血症 [対策]上記疾患の鑑別,糖尿病の血糖コントロール
●異常低値
[高頻度]赤血球寿命の短縮(溶血性貧血,出血,肝硬変,腎性貧血),エリスロポエチンの治療期,鉄欠乏貧血の治療期 [可能性]妊娠,異常ヘモグロビン血症 [対策]上記疾患の鑑別
●糖尿病診療に用いる各種基準値・判定値・目標値(表90図,表91図)
2014年4月1日よりNGSP値のみを表記することとなった(詳細は日本糖尿病学会のホームページを参照のこと).
HbA1c(NGSP)=1.02×HbA1c(JDS)+0.25
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
ヘモグロビンが非酵素的に血中の糖と徐々に結合し,糖化ヘモグロビンが形成される.ヘモグロビンが糖化されると,より陰性に荷電するため,HPLC法により分離できる.
赤血球が骨髄で形成された後,血中に浮遊している期間に曝されたブドウ糖濃度(血糖値)に比例して糖化ヘモグロビンの生成量が増加するため,長期の血糖コントロールを表す指標として有用である.糖化ヘモグロビンの値には,直前の1カ月間の血糖値が50%,その前の1カ月間の血糖値が25%,さらに前の2カ月間の血糖値が25%寄与するといわれている.
判読
①HbA1c(NGSP)が6.5%以上〔HbA1c(JDS)が6.1%以上〕であれば糖尿病型と判定される.同日あるいは別の日の検査で血糖値が「糖尿病型」(空腹時血糖値126mg/dL以上または75g OGTT2時間値200mg/dL以上または随時血糖値
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