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検査

HbA1c〔ヘモグロビンA1c〕《糖化ヘモグロビン》   49点
★★★
hemoglobin A1c《glycated hemoglobin》
大原 毅
(兵庫県立はりま姫路総合医療センター副院長・糖尿病・内分泌内科部長)

基準値

・HbA1c(NGSP):4.6~6.2%

・HbA1c(JDS):4.3~5.8%

共用基準範囲 (NGSP)4.9~6.0%


測定法 HPLC法など


検体量 全血2mL


日数 1~2日


目的 ①糖尿病の診断,②血糖コントロールの評価


Decision Level

●異常高値

[高頻度]糖尿病 [可能性]鉄欠乏状態,赤芽球癆,異常ヘモグロビン血症 [対策]上記疾患の鑑別,糖尿病の血糖コントロール

●異常低値

[高頻度]赤血球寿命の短縮(溶血性貧血,出血,肝硬変,腎性貧血),エリスロポエチンの治療期,鉄欠乏貧血の治療期 [可能性]妊娠,異常ヘモグロビン血症 [対策]上記疾患の鑑別

●糖尿病診療に用いる各種基準値・判定値・目標値(表90,表91)

 2014年4月1日よりNGSP値のみを表記することとなった(詳細は日本糖尿病学会のホームページを参照のこと).

 HbA1c(NGSP)=1.02×HbA1c(JDS)+0.25


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 ヘモグロビンが非酵素的に血中の糖と徐々に結合し,糖化ヘモグロビンが形成される.ヘモグロビンが糖化されると,より陰性に荷電するため,HPLC法により分離できる.

 赤血球が骨髄で形成された後,血中に浮遊している期間に曝されたブドウ糖濃度(血糖値)に比例して糖化ヘモグロビンの生成量が増加するため,長期の血糖コントロールを表す指標として有用である.糖化ヘモグロビンの値には,直前の1カ月間の血糖値が50%,その前の1カ月間の血糖値が25%,さらに前の2カ月間の血糖値が25%寄与するといわれている.


判読

①HbA1c(NGSP)が6.5%以上〔HbA1c(JDS)が6.1%以上〕であれば糖尿病型と判定される.同日あるいは別の日の検査で血糖値が「糖尿病型」(空腹時血糖値126mg/dL以上または75g OGTT2時間値200mg/dL以上または随時血糖値

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