基準値
・血中CPR:1.2~2ng/mL,1.7±0.1ng/mL(空腹時)
・1日尿中C-ペプチド排泄量:24~97μg/日
測定法 RIA,EIA
検体量
・血清0.3mL
・尿1mL
日数 2~4日
目的 ①内因性膵β細胞機能の検索(特にインスリン治療患者に対して),②糖尿病の病型分類,③インスリノーマの診断
Decision Level
●0.5ng/mL以下(高度減少)
[高頻度]1型糖尿病 [可能性]2型糖尿病のSU薬二次無効例 [対策]インスリン治療を行う
●0.5~1.2ng/mL(軽度減少)
[高頻度]2型糖尿病 [可能性]境界型耐糖能異常症例(IGT) [対策]2型糖尿病に対しては経口血糖降下薬の適応を考える.IGTに対しては75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)を行い,糖尿病か否かを明らかにする
●2ng/mL以上(増加)
[高頻度]肥満者,慢性腎不全 [可能性]2型糖尿病の早期,肝硬変,インスリノーマ,家族性高プロインスリン血症,インスリン自己免疫症候群 [対策]腎不全や肝硬変などの原疾患の検索,血中インスリン値(IRI)の同時測定,家族のCPR測定,膵腫瘍の有無
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
膵β細胞内で合成されるプロインスリンは,主としてゴルジ装置で分解され,プロインスリン1分子からインスリン1分子とC-ペプチド1分子が産生される.生成したインスリンとC-ペプチドは分泌顆粒中に蓄えられ,刺激に応じて血中に放出される.C-ペプチドはインスリンに比して肝での取り込みは軽度で,その大部分は腎において代謝,排泄され,尿中に大量に検出される.
以上のC-ペプチドの生成,分泌,代謝過程に異常があると,血中および尿中C-ペプチドの異常値が出現する.
生成過程の異常として低値を示すのが1型糖尿病であり,高値を示すのがインスリノーマや家族性高プロインスリン血症である.分泌過程の異常として
関連リンク
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