基準値
・0.4U/mL未満
・インスリン抗体結合率:2.5%未満
測定法 RIA
検体量 血清0.3mL
日数 3~7日
目的 インスリン自己免疫症候群の診断
Decision Level
●陽性
[高頻度・可能性]①インスリン自己免疫症候群,②他の自己免疫疾患,③1型糖尿病(発症初期のインスリン治療前),④インスリン治療中の糖尿病(インスリン抵抗型糖尿病を含む),⑤インスリンアレルギー,⑥factitious hypoglycemia,⑦SH基を有する薬剤服用(チアマゾール,チオプロニン,グルタチオン,ペニシラミン) [対策]インスリン注射歴の有無,低血糖症状の有無などにより,血中IRI,CPR値の測定,さらに,①,④などが疑われた場合,非標識インスリンによる抑制試験
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
陽性を示した場合,125I-インスリンの一部を抗原として認識する蛋白(インスリン抗体を含む)の存在が疑われる.しかし,インスリンに特異的に結合する蛋白(インスリン抗体)以外にも,インスリン製剤への添加物質やインスリンのヨード化に伴う構造変化などを認識する非特異的な反応による可能性もあるため,スクリーニング的意義しかない.以上より,非標識インスリンによる抑制試験で結合抑制効果を確認し,抑制されれば,インスリンに特異的なインスリン抗体と判定できる.
●インスリン自己抗体(IAA)を示すもの
①インスリン自己免疫症候群,②1型糖尿病(発症初期のインスリン治療前),③他の自己免疫疾患,④SH基を有する薬剤服用.
●種特異的なインスリン抗体(主にIgG)
①インスリン治療中の糖尿病(インスリン製剤に対するもの),②factitious hypoglycemia(インスリン製剤に対するもの).
●IgEのとき(RAST法)
インスリンアレルギー.
[関連する検査]
①膵島関連自己抗体には,ICA,抗GAD抗体,抗I
関連リンク
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