基準値 120μmol/L以下
測定法 酵素法
検体量 血清0.3~0.5mL
日数 1~5日
目的 糖尿病,絶食,飢餓などにおける状態の把握
Decision Level
●120~2,000μmol/L(上昇)
[高頻度]糖尿病,絶食,運動,妊娠 [可能性]糖原病,高脂肪食,低炭水化物食,発熱,嘔吐,下痢,脱水,飲酒,外傷,ショック,手術,薬物中毒,感染,甲状腺機能亢進症,グルカゴノーマ,褐色細胞腫,先端巨大症,虚血性心疾患,脳血管障害,自律神経失調症
●2,000μmol/L以上(高度上昇)
[高頻度]1型糖尿病性ケトアシドーシス(インスリン中断・不足,感染,飲酒,薬剤性など) [可能性]2型糖尿病性ケトアシドーシス,飲酒,飢餓,薬物中毒 [対策]糖尿病性のケトアシドーシスではモニター下で輸液,インスリン持続投与,電解質補正(特にK)を行う.アシドーシスの補正はpH<7.0~7.1以外は通常行わない.その他,症状,検査データなどから,原因疾患の診断,治療を行う
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
ケトン体はアセト酢酸,β-ヒドロキシ酪酸,アセトンの総称である.アセトンは揮発性であるため,アセト酢酸とβ-ヒドロキシ酪酸の総和がケトン体量となり,アセトンは含まれない.生体内において糖の利用障害,絶食,飢餓,代謝亢進などにより,生体内のエネルギー依存度が糖質から脂肪酸へと傾くと,脂肪の分解亢進によって増加した遊離脂肪酸が肝細胞内に取り込まれ,アシルCoAとなり,その一部はミトコンドリア内でβ-酸化を受け,アセチルCoAが合成される.アセチルCoAはアセト酢酸になり,多くはβ-ヒドロキシ酪酸脱水素酵素により還元されて,β-ヒドロキシ酪酸へと変化するが,一部が非酵素的に脱炭酸化されアセトンとなる.
肝からのケトン体は,肝細胞では代謝できないため,骨格筋,心筋,腎臓などの組織で再利用されるが,組織の
関連リンク
- 臨床検査データブック 2023-2024/アンモニア〔NH3〕 [保] 50点
- 臨床検査データブック 2023-2024/血清クレアチン [保] 11点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/ケトン体分画 [保] 59点
- 臨床検査データブック 2023-2024/アセトン定量
- 臨床検査データブック 2023-2024/ピルビン酸《有機モノカルボン酸》 [保] 47点
- 臨床検査データブック 2023-2024/尿ケトン体 [保] 26点
- 臨床検査データブック 2023-2024/乳酸《有機モノカルボン酸》 [保] 47点
- 新臨床内科学 第10版/4 フルクトース代謝異常症
- 今日の小児治療指針 第17版/筋型糖原病