基準値 5μg/mL未満
測定法 ガスクロマトグラフィー法
検体量 血清0.5mL
日数 4~7日
目的 糖尿病,絶食,飢餓,アセトン曝露などにおける重症度の判定
Decision Level
●5μg/mL以上(増加)
[高頻度・可能性]糖尿病,糖原病,絶食,飢餓,高脂肪食,低炭水化物食,発熱,嘔吐,下痢,脱水,飲酒,運動,外傷,ショック,手術,妊娠,薬物中毒,感染,甲状腺機能亢進症,グルカゴノーマ,褐色細胞腫,先端巨大症,虚血性心疾患,脳血管障害,自律神経失調症,アセトン曝露(職業性・依存性) [対策]糖尿病性のケトアシドーシスではモニター下で輸液,インスリン持続投与,電解質補正(特にK)を行う.アシドーシスの補正はpH<7.0~7.1以外は通常行わない.その他,症状,検査データなどより,原因疾患の診断,治療を行う
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
「ケトン体定量」の項を参照→.
糖尿病ではインスリンの作用不足により,脂肪の分解亢進による遊離脂肪酸の上昇,肝におけるカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ(carnitine palmitoyltransferase;CPT)の活性化などによりケトン体の上昇をきたす.ケトン体が著増(3~5mmol/L以上)すると,pHが7.3以下の糖尿病性ケトアシドーシスとなり,アセトンも著明に増加する.アセトンは揮発性により呼気に排出されやすく,アセトン臭として認められることがあるが,アシドーシスの発症には直接寄与しない.
[関連する検査]
血中ケトン体分画,尿中アセトン定量により総合的な診断が可能となる.
判読
①食事,運動,ストレスなどによる日内変動がみられる.②インスリン値とは,おおよそ逆相関を示す.③絶食下の運動負荷により,ケトン体が代謝されて低下することがある.④糖尿病では,朝食前が高値となる.
採取保存
血漿分離後冷蔵保存.4℃で2日以内あるい
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