基準値 7~50ng/mL
測定法 ECLIA
検体量 血清0.2mL
日数 2~5日
目的 腎性骨萎縮症の診断
Decision Level
●100ng/mL以上(高度増加)
[高頻度]腎性骨萎縮症(腎不全に伴う) [可能性]健常小児,骨肉腫 [対策]他の骨代謝マーカーを測定する
●50~100ng/mL(軽度増加)
[高頻度]甲状腺機能亢進症,副甲状腺機能亢進症,悪性腫瘍の骨転移,骨肉腫,健常小児,軽症腎不全 [可能性]敗血症,関節リウマチ,骨粗鬆症,骨大理石病 [対策]他の骨代謝マーカーを測定する
●7ng/mL未満(減少)
[可能性]骨粗鬆症,糖尿病,ビタミンK欠乏症 [対策]他の骨代謝マーカーを測定する
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
オステオカルシンは骨グラ蛋白(bone Gla protein;BGP)とも呼ばれ,骨のミネラル成分であるヒドロキシアパタイトと強い親和性をもち,骨に不可欠の蛋白質と考えられている.その機能はまだ明らかでないが,このGla化にはビタミンKが必要であることが認められている.
オステオカルシンは骨形成のマーカーとみなされているが,実際は骨特異的な骨代謝マーカーで,骨代謝回転をよく反映するものである.本測定で疾患の診断を行うことはできないが,同一症例について経時的に血清中オステオカルシンを測定することは,患者の骨代謝回転を知るうえで有用である.
[関連する検査]
骨塩定量検査を実施することにより患者の骨代謝を総合的に判定する.
判読
①小児では著しい高値を示すので注意が必要である.②20歳以後はほぼ一定した値に落ち着くが,女性では閉経以後に軽度上昇する.③血中アルカリホスファターゼ(ALP)も(特に骨型ALP)値と正相関するが,腎機能障害例では明らかな高値を呈する.
採取保存
①絶対凍結.②採血後すぐに分離.③冷蔵保存は不可.
薬剤影響
上昇ビタミンK剤投与により上
関連リンク
- 臨床検査データブック 2023-2024/ヒドロキシプロリン〔Hyp〕 [保] 279点
- 臨床検査データブック 2023-2024/高感度副甲状腺ホルモン〔PTH-HS〕 [保] 165点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/骨型アルカリホスファターゼ〔BAP,bs-ALP〕 [保]* 161点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/Ⅰ型プロコラーゲン-N-プロペプチド〔P1NP〕 [保]*
- 臨床検査データブック 2023-2024/β-クロスラプス〔β-CTx,CTX〕《Ⅰ型コラーゲン架橋C-テロペプチド-β異性体》 [保]*
- 臨床検査データブック 2023-2024/Ⅰ型コラーゲン架橋N-テロペプチド〔NTx〕 [保] 156点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/Ⅰ型コラーゲンC末端テロペプチド〔ⅠCTP〕 [保] 170点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/尿中デオキシピリジノリン〔DPD,D-Pyr〕 [保] 191点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/骨粗鬆症
- 臨床検査データブック 2023-2024/原発性副甲状腺機能亢進症(PHPT)
- 新臨床内科学 第10版/(1)ビタミンD依存症,ビタミンD依存性くる病・骨軟化症