基準値
・男性:3.7~20.9μg/L
・閉経前女性:2.9~14.5μg/L
・閉経後女性:3.8~22.6μg/L
測定法 CLEIA
検体量 血清0.5mL
日数 2~3日
目的 骨代謝異常症の診断
NOTE *保険点数:「ALPアイソザイムおよび骨型アルカリホスファターゼ」では96点
Decision Level
●300μg/L以上(高度増加)
[高頻度]くる病,重症骨軟化症,Paget病 [可能性]原発性骨腫瘍,癌の骨転移 [対策]他の骨代謝マーカーを測定する
●30~300μg/L以上(軽度~中等度増加)
[高頻度]甲状腺機能亢進症,副甲状腺機能亢進症,健常小児,閉経期骨粗鬆症,腎性骨異栄養症,骨折の治癒期 [可能性]悪性腫瘍に伴う高Ca血症,Cushing症候群,副腎皮質ホルモン製剤内服治療中,成長ホルモン治療中の小児,多発性骨髄腫,サルコイドーシス [対策]他の骨代謝マーカーを測定する
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
日常よく測定される総アルカリホスファターゼ(ALP)は骨の他,肝,腎,腸管にも由来しているため,特異性に乏しい.肝,腎,骨型のALPは蛋白質部分は完全に同じで,糖鎖部分のみ異なっているため,分離測定が困難であった.しかしIRMA法やEIA法を用いた簡便な測定系が開発され,信頼性も高く,保険適用された.
ALPは骨においては骨芽細胞から産生されるため,骨形成能をよく反映していると考えられている.
臨床的意義としては,まず,総ALP値が増加を示している患者について,肝胆道系疾患なのか,腎疾患なのか,あるいは骨疾患なのかを正確に鑑別する第一の検査として重要である.
なお,生理的変動であるところの,小児成長期,特に思春期における中等度上昇(50~200μg/L)を知っておくことが必要で,また,女性では閉経前後期における軽度の上昇(+10μg/L程度)も存在している.
骨
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