目的 先天性疾患の診断,造血器疾患の診断
NOTE *保険点数:分染法を行った場合は397点を加算する
Decision Level
染色体検査にて特異的な異常があれば診断が確定する先天性疾患,造血器腫瘍がある
●適応
①先天性疾患(常染色体異常,性染色体異常).②習慣性流産,不妊などの原因検索.③羊水による出生前診断.④遺伝性疾患保因者の検索.⑤白血病などの血液疾患(特に造血器腫瘍).⑥骨髄移植の経過観察.⑦固形腫瘍
●染色体に異常を示す疾患
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
ヒトの染色体は1から22番までの22対の常染色体とX,Yの性染色体,つまり,46,XXか46,XYのいずれかの構成をしている.染色体検査は,染色体数や構造の異常を染色体分染法やfluorescent in situ hybridization(FISH)法などで検索するものである.先天性疾患の鑑別診断においては生殖細胞系列の異常が検査対象となるのに対して,血液疾患と腫瘍性疾患では疾患(腫瘍)クローンの異常が対象となる.いずれも疾患の確定診断に有効である.腫瘍性疾患の場合には治療後の経過,治療効果の判断,再発の早期発見にも役立つ.
■染色体分染法の目的と特徴
以下のうち血液疾患・腫瘍性疾患で広く用いられているのはG分染法である.
●G分染法
●目的
①異常染色体の数的異常や構造異常の検出と分析.②モザイク頻度の決定.
●特徴
①染色の濃淡が明瞭.②標本の長期保存が可能.③バンド数が多数出現する.④染色体末端部が淡く染まる.
●Q分染法
●目的
①Y染色体の長腕末端部や構造異常の検出と分析.②変異バンド付近の切断点の判定.
●特徴
①簡便で