診療支援
検査

骨髄微小残存病変量測定〔MRD〕  
minimal residual disease in bone marrow
伊豆津 宏二
(国立がん研究センター中央病院・血液腫瘍科長)

基準値 モニタリング:感度未満


測定法

・遺伝子再構成同定:PCR法または次世代シーケンシング法

・プライマー設定・モニタリング:リアルタイムPCR


検体量

・骨髄液1.0mL

・血液7.0mL


日数

・遺伝子再構成同定28~35日

・モニタリング6~14日


目的 治療方針決定を目的とした急性リンパ性白血病(ALL)の経過観察


NOTE‍ 保険点数:3,500点(遺伝子再構成の同定),2,100点(モニタリング)


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 本検査では,ALLの初診時または再発時の検体で,個々の患者の白血病細胞の免疫グロブリン遺伝子またはT細胞受容体遺伝子などの遺伝子再構成の特異的塩基配列を決定し,クローン特異的なPCRプライマーを設計する.このプライマーを用いて,治療後の検体で微小残存病変(MRD)を定量的に測定する.初回寛解導入療法後,または再発後の再寛解導入療法後のMRDレベルが予後因子として知られており,主に小児での臨床試験で,MRDにおける高リスク群での同種造血幹細胞移植などの治療強化により予後の改善がみられている.MRDの測定タイミングやカットオフ値は治療プロトコルにより異なる.


採取保存

 骨髄液はヘパリンを使用しないシリンジを用いて吸引し,容器に入れた後,速やかに転倒混和する.シリンジ内でヘパリンを混入させない.


保険注意

①PCR法により,急性リンパ性白血病の診断補助または経過観察を目的に行った場合に算定できる.②遺伝子再構成の同定に用いるものについては,急性リンパ性白血病と診断された患者または再発が認められた患者に対して,遺伝子再構成の同定および当該遺伝子のプライマー作成を行った場合に,それぞれ1回に限り算定できる.③モニタリングに用いるものについては,遺伝子再構成に用いるものを行った患者に対して,PCR法により急性リンパ性白血病の経過観察を目的として行った場合に,初発時と再

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