診療支援
検査

出血時間   15点
bleeding time
尾崎 由基男
(笛吹中央病院院長)

基準値

・Duke法:1~3分

・Ivy法:1~5分


測定法 Duke法,Ivy法


目的 生体を用いた出血傾向の存在の評価


Decision Level

●20分以上(高度延長)

[高頻度]血小板減少症(再生不良性貧血,白血病,DICなど),von Willebrand病 [可能性]血小板の質的異常(血小板無力症など),血管異常 [対策]血小板数測定,血小板機能検査,毛細血管抵抗試験を追加して検査する

●10~20分(軽度延長)

[高頻度]血小板減少症(特発性血小板減少症),抗血小板薬,クマリン系など薬剤の投与,技術的ミス [対策]前項と同様であるが,病歴の検討,出血時間の再検も必要


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 出血時間は,皮膚に切創を作り,そこからの出血が一次止血,すなわち血小板血栓形成により止まるまでの時間を測定するものである.止血機構には,血小板,凝固因子,血管の因子が関与しており,これらのどれかに異常があれば,出血時間が異常値をとる.出血時間延長の原因として最も頻度の高い疾患は血小板減少症である.血小板数が正常でも,血小板機能異常があると出血時間の延長がありうる.出血時間は作製する切創のサイズで結果が大きく影響される.特にDuke法は熟練者の技術が必要である.

 技術による検査値の変動を防ぐため,一定の切創を形成できるSimplate法が考案されていたが,現在,生産中止になっている.


[関連する検査]

①血小板数,von Willebrand因子,血小板機能検査との関連がある.②血小板数が減少していれば出血時間は延長するので,血小板減少症とあらかじめわかっている場合は出血時間を測定する必要はない.


判読

①血小板,凝固系に作用する薬剤の影響でも出血時間が延長するが,軽度のことが多い.②アスピリンなどの薬剤では,投薬後1週間以上経過しないと血小板機能が回復しない.③von Willebra

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