診療支援
検査

可溶性フィブリンモノマー複合体〔SFMC〕  
soluble fibrin monomer complex
橋口 照人
(鹿児島大学大学院教授・血管代謝病態解析学分野)

基準値

・陰性〔フィブリンモノマー(FM)テスト定性検査〕

・6.1μg/mL未満〔フィブリンモノマー複合体(FMC)〕

・7μg/mL未満〔可溶性フィブリン(SF)〕


測定法 赤血球凝集反応(FMテスト),ラテックス免疫比濁法(FMC,SF),エバネセント波蛍光免疫測定法(FMC)


検体量 血漿0.4mL


日数 即日


目的 トロンビン生成,血栓傾向,凝固亢進状態,DIC診断の指標


NOTE‍ 保険点数:93点(定性),221点(包)(定量)


Decision Level

●陽性(+),6.1μg/mL以上(FMC)(増加)

●陽性(+),7μg/mL以上(SF)(増加)

[高頻度]DIC,血栓症(特に深部静脈血栓症) [可能性]悪性腫瘍,ネフローゼ症候群,膠原病,糖尿病 [対策]フィブリノゲン,プロトロンビンフラグメント1+2(PF1+2),トロンビン・アンチトロンビン複合体(TAT),Dダイマーの測定など

●陽性(2+,3+),40μg/mL以上(SF,FMC)(高度増加)

[高頻度・可能性]DIC,血栓症〔深部静脈血栓症(DVT),肺血栓塞栓症〕,膠原病,ネフローゼ症候群 [対策]原疾患の診断と治療,DICの存否の確認,DVT急性期の対策


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 フィブリノゲンのN末端が集まった中心部をE領域,2つあるC末端部をD領域と標記するため,フィブリノゲンはD-E-Dと標記される〔「フィブリノゲン」の項参照〕.フィブリノゲンからトロンビンによりフィブリノペプチドA(FPA),フィブリノペプチドB(FPB)が放出されたdesAフィブリン,desABフィブリンのE領域には2つのEA-siteが形成され,これらは他のフィブリノゲン,フィブリン2分子のD領域γ鎖のDa-siteと結合することができる.フィブリン同士が重合(結合)するとフィブリンポリマーが形成されるが,一部において

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