基準値 患者血漿と正常血漿を複数(5点)の容積比で混合しAPTT,PTなどの凝固時間をプロットしたパターンで病態を解析する定性検査であるため,基準値は設定されていない
測定法 APTT,PT(凝固法)
検体量 APTT,PT1回検査につき血漿0.4mL(4,5回実施)
日数 即日
目的 APTTあるいはPTの延長を認める検体に対して,凝固因子欠乏か凝固因子インヒビターが存在するかの鑑別,特に凝固因子インヒビターの存在あるいはループスアンチコアグラントのスクリーニングに重要
Decision Level
●凝固因子インヒビターパターンまたは凝固因子欠乏パターン
[高頻度]ビタミンK欠乏症,肝硬変,膠原病(SLE),ループスアンチコアグラント(LA),凝固因子インヒビター [可能性]凝固因子欠乏症 [対策]抗カルジオリピン(CL)抗体検査,抗β2-GP/CL抗体検査,抗プロトロンビン/PS抗体検査,各凝固因子活性,インヒビターの測定
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
被検血漿と正常プール血漿を容積比で10:0,8:2,5:5,2:8,0:10の5点で混合し,混合直後および37℃で2時間インキュベーション後にそれぞれのAPTTあるいはPTを測定する.横軸に混合比,縦軸にAPTT(秒)あるいはPT(秒)をプロットしてグラフを作図する(図79図).
①凝固因子欠乏症:患者血漿に正常血漿を添加することで速やかにAPTTあるいはPTが是正され短縮する.しかし,正常血漿に患者血漿を加えても是正されないため,下に凸の曲線が描出される(図79図中の色線).肝硬変,ビタミンK欠乏症,各凝固因子欠乏がこのパターンになる.
②凝固因子インヒビター:患者血漿に正常血漿を添加してもAPTT延長あるいはPT延長は効率よく是正されず,正常血漿に患者血漿を添加すると延長するため,上に凸の曲線が描出される(図79図中の黒線)
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