基準値 検出せず,または1BU/mL以下
測定法 ベセスダ法
検体量 各々血漿0.2mL
日数 2~4日
目的 血友病患者の補充療法の有効性低下の原因診断
Decision Level
●1~5BU/mL(増加.基準値以上)
[高頻度]補充療法を受けている血友病患者.血友病Aでは第Ⅷ因子抑制因子が,血友病Bでは第Ⅸ因子抑制因子が出現する.後天性血友病でも凝固因子インヒビターの増加がみられる [可能性]自己免疫疾患,妊娠末期,感染症(結核,ハンセン病,梅毒など) [対策]血友病患者で抑制因子が検出された場合,補充療法の有効性が減少する.この程度の抑制因子力価であれば凝固因子製剤の大量投与が有効な場合がある.止血管理が重要になる.自己免疫疾患で認められた場合,抗カルジオリピン抗体を測定する
●5BU/mL以上(高度増加)
[高頻度]補充療法を受けている血友病患者.血友病Aでは第Ⅷ因子抑制因子が,血友病Bでは第Ⅸ因子抑制因子が出現する.後天性血友病でも凝固因子インヒビターの増加がみられる [対策]凝固因子製剤は無効であり,プロトロンビン複合体製剤や乾燥ヒト血液凝固因子抗体迂回活性複合体によるバイパス療法を行う
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
血友病患者に対して反復して凝固因子(血友病Aでは第Ⅷ因子,血友病Bでは第Ⅸ因子)の補充療法が行われる.これらの患者の10~20%においてこれらの凝固因子に対する抗体が作られる.自らが産生する凝固因子が少なく,補充療法の機会の多い患者,すなわち重症の血友病患者に多くみられる.ほとんどがIgG抗体である.一方,先天性血友病の病歴がなくても,後天的に凝固因子インヒビターを生じて後天性血友病を発症することがある.背景に悪性腫瘍や自己免疫疾患が存在することがある.
測定はベセスダ法で行われる.段階希釈(2~1,000倍)した患者血漿と正常血漿を等量混和し,37℃で2時
関連リンク
- 臨床検査データブック 2023-2024/ヘパプラスチンテスト〔HPT〕
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- 臨床検査データブック 2023-2024/凝固因子活性検査 第Ⅻ因子 [保] 223点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/血小板第4因子・ヘパリン複合体抗体《HIT抗体》 [保] 378,390点
- 臨床検査データブック 2023-2024/血友病
- 臨床検査データブック 2023-2024/ループスアンチコアグラント〔LA,LAC〕 [保] 273点
- 新臨床内科学 第10版/【4】後天性血友病A
- 新臨床内科学 第10版/1 高IgM症候群(免疫グロブリンクラススイッチ異常症